説教タイム


うちのグループに、やたらと説教の長いヤツがいる。
その名も「徳川副主任(軍曹)」


私がまだぺーぺーだった時のお話。

その日私は時計を忘れてきてしまった。
 
パチ屋店員だけでなく、多くのサラリーマンの方にも必要なアイテム。

しかもうちの店のホールには時計という物が存在しない。



私「まあ、徳川に見つからなければ大丈夫だな」




と思いつつ、無難に業務をこなしていた。





と、思ったのもつかの間!



徳川軍曹「お〜い!今何時だと思ってんだ!掃除やらんかい!!」


私「あ............すみません。今すぐやります」


徳川軍曹「んあ?おまえ、時計は???」


私「え...........すみません。忘れてきてしまいました」

(やべぇ。コリャ殺られるな)



徳川軍曹「あぁそうか。とりあえず掃除やれよ」

(あれ???ラッキー!!!今日は機嫌がいいのか)



その後も殺られることなく、早番の業務を終えた。




定刻



皆「おつかれさまでした!!!」


元気よく挨拶!


私(今日も終わりだ!さて、帰る.........)
徳川軍曹「おい!クロノス!お前ちょっと来い!」


私「はい?」

(え!?は!?ちょっ!?ななななんだよ!??)


皆「んじゃ!お先に失礼しま〜〜〜〜す!!」

(おっ、おい!!戦友達よ!!!)


意気揚々と退散していく。事務所は私と徳川軍曹の二人きり。





徳川軍曹「・・・」






私「・・・」







徳川軍曹「・・・・」







私「・・・」









ち、沈黙が痛い!もうこの時の私の心拍数は急上昇!!

(ま、まさか、時計の事じゃないよな?あの時何も言わなかったよな?
お前いつも怒るときは「その時に怒るのが定石。後からじゃ怒られたほうも納得いかねぇもんな!」て言ってるじゃん?

もしかして、トラブルで少しお客を待たした事か?
でもあのトラブルは時間がどうしてもかかるし。これでもないな。うん。

じゃあ、あれか?挨拶の声が小さかったか?いや、そんなに小さくなかったと思う。何だよ〜〜〜?もう!!!)


徳川軍曹「お前さぁ、今日時計忘れてきたよな」



私「はぁ」


(えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!今頃????言ってること違うじゃん!!)



徳川軍曹「時計も無くてお前どうやって仕事すんの?」




私「すみません。今後はそういう事がいっさいないよう..........」




徳川軍曹「だ〜か〜ら!どうやって仕事すんのか聞いてんの!!?」




私「はい.......」




徳川軍曹「だからお前はダメなんだよ!!」


(え?なにが?普通に仕事してるじゃん!)



徳川軍曹「そんなんじゃ、これから先何やってもダメに決まってる」




私「はぁ」


(何がダメなんだよ........具体的にどうぞ!!!)



徳川軍曹「いいか、時計を忘れる奴は、時間を気にしない時間にルーズな人間じゃね〜のか?社会に出て、時間にルーズなのは致命的。」




私「そうですね」


(ちょ、俺一回も遅刻した事ね〜し!約束の時間に遅れた事もね〜よ!)



徳川軍曹「プライベートでもそんな事やってりゃ友達もいなくなるし」



私「いえっ、そんな事は........」



徳川軍曹「あるんだろ??あぁ?」



私「ないです」


(勝手に脳内で俺のプライベートまで妄想してんな!きもっ!)



徳川軍曹「そのうち分かる」




私「・・・・」


(だ〜か〜ら!何がだよっ)



徳川軍曹「俺がまだぺーぺーの時なんか、その時の店長にもっと言われたぜ!」




私「・・・・」


(ま〜た始まった。お得意の武勇伝)



徳川軍曹「△□※〜×は、□〜※△で、〜×○□だから、」


(もう聞き飽きたよ)



徳川軍曹「しかも、○△〜□※は、□※○だろ?」




もうこの辺りから私の思考ストップ!

意識は完全に宇宙の仕組みについて考えてたりする。

そのうち、ウルトラ7のテーマが頭の中で巡り、

この目の前のピグモンをアイスラッガーで切り刻んだりしている。







(ピコン!ピコン!ピコン!)



やべっ!だいぶ時間がかかっちまった!

時計をちら見する。それを見て間髪入れずにピグモン。



徳川軍曹「こんな時ばっかり時間気にしやがって!だったら時計持ってこいよ!」




私「す、すみません」

(ちょ、今何時だった?午後8時30分じゃなかったか?かれこれ3時間。そろそろか?)



徳川軍曹「それでな、△〜※□は○〜□※だから〜」

(おいおい!!まだ喋りクサルかこのピグモン!!!!!)



徳川軍曹「つまり人間的にもダメってことだ!」


(このやろ、しまいにゃ人間失格宣言かい!!)




私はこの辺りでちょい切れモードに突入!!

明らかに不快な顔つきになっている。

(もう喋ってくれるな!お前の人間リタイヤを手伝ってやる!)



ここで徳川ピグモンのニュータイプぶりを発揮!!



ピキ〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!



徳川軍曹「ま、今後は気を付けろなっ!」


どうやら、感じたらしい。

徳川ピグモンはこういう勘は鋭い。

私「ふぅ終わった。今の時間は、午後9時。」

そして、とぼとぼ家に帰るのであった。




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